投票立会人

touhyousyo

今日は参議院議員通常選挙の日。昨日は市役所本庁舎期日前投票所で、『投票立会人』の仕事をしてきた。

朝8:30直前に、『投票管理人』・『職務代理人』・『投票立会人』が見守る中、前夜投票箱を施錠したキーを入れた封筒を破り、市の選挙管理委員会が取り出したキーで投票箱を開錠した。 電波時計の表示を確認して、『投票管理人』が「定刻になりましたので、本投票所を開所いたします。」と宣言して、廊下で待っていた投票者が入室して来た。晩の8:00になると室内の電話が鳴り、『職務代理人』がこれを取った。「本庁舎玄関のドアが閉められました。」という報告を受けて、『投票管理人』が「定刻になりましたので、本投票所を閉所いたします。」と宣言した。この後朝と同じ監視の下、市の選挙管理委員会が投票箱を施錠して、全ての行事が終了した。本投票所の一日の投票数は983票で、前回の参議院選挙時の最高投票数704票を大幅に上回った。1000票は越えろと思い続けた11時間30分の職務だった。

投票所内の組織はこうなっている。 公職選挙法に規定されており、『投票管理人』が投票所の最高責任者で、投票所内で起こる全てのできごとに責任を持たなければならない。『職務代理人』は、目が不自由な人・病気やけがなどで候補者の氏名等が書けない人・痴ほう症で判断が明確でない人などの援助をしたり、他の家族の参議院議員通常選挙入場整理券を持ってきてしまった人に再発行したり、投票証明書を発行したりする。投票証明書は、会社を休んだ人に公民権を行使するためだったと申請したり、最近では地元の商店街の割引セールに使えたりする。『投票立会人』(2名)は、投票業務や投票行為に間違いや不正が無いかを監視する。投票業務を執行する人は、案内係・受付係・選挙人名簿台帳との照合係・投票用紙発券係(2名)の9名である。
『職務代理人』は市の選挙管理委員会からの派遣で、残りは民間人である。問題が発生した時、民間人である『投票管理人』が責任を取らなければならないのなら、それは酷だろう。ことは公職選挙法に係わるので、犯罪者になってしまう。その点を確認してみた。『投票管理人』が解決できない問題は『職務代理人』が方策を示すか、投票所内で方策が分からないときは、市の選挙管理委員会の判断を仰ぐ。そういったい体制で、取り組むことになるようだ。ならば、『職務代理人』が頭になれば良いのにと思うが、民間人が投票所を管理しているというクリーンなイメージを作ろうとしているのかもしれない。建設業法では、契約者である社長が現場を指揮しなければならないが、現実的でないので現場代理人を指名し、現場代理人が指揮権を持つことが決められている。現場代理人は社長の代理なので、現場で大きな権限を有することになる。同じく『職務代理人』とは市の選挙管理委員会の代理なので、力があるのだろう。

投票所内のできごとや風景(今回は大きな問題は発生しなかったが、いろいろあるようだ。)

  • 投票証明書の発行依頼は結構多い。そのため援助が必要な人が来られた時に、長い時間待ってもらうことがあり、トラブルになることがあるという。
  • 候補者の名前を記入するのが困難な人のときは、公職選挙法は、同伴者が援助することを認めておらず、『職務代理人』と『受付係』の二人が対応する必要があり、一人が代書し残りがその確認をすることを義務付けている。今回大分時間が掛ったが、無事投票をしてもらうことができた。
  • 照合係が「選挙人名簿の住所と入場整理券の住所が違う」人を発見した。詳細は分からないが、「3か月以上前に市内の引っ越しをしたが、住所変更をまだしていない」ためだということだが、『職務代理人』が市の選挙管理委員会に電話をして、投票は可能という結論になった。
  • 公職選挙法は「公示の3か月以上前に住居する地域に選挙権が発生する」と規定されているので、これによるトラブルもあるという。引っ越して3か月以内の人の選挙権は前の選挙区になるのだが、この人は新しい選挙区で投票できると聞いたが、良く分からなかった。
  • 男女の投票数もカウントしている。実際には選挙人名簿から算出できるのだが、慣例でやっているのだろう。ところが時代を反映して、パッと見た目では男か女か分からない人がいる。「その時は胸を見るんですよ。」と言われても、分からない人は分からない。記憶では3人ほどいたのだが、何のためにカウントしているのだろうか?
  • 選挙人名簿はPCに記録されているが、一度入場整理券と照合されると以降の入力はできなくなるようにプログラミングされている。投票用紙発券機は私の横にあるのだが、私が未記入の投票用紙を盗めないように鍵が掛かっている。

私は「一院制」を支持しているので、本来なら参議院選挙の立ち合いなど資格が無いのかもしれないが… 参議院が「良識の府」であると言うのなら、「党議拘束を外すべき」と思っている。

 

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